THE NORTH FACE MOUNTAIN

LAYERING THEORIES #24
"GLOVE"

“GLOVE”

本格的な冬はグローブが欠かせないシーズンです。THE NORTH FACEでは用途や機能の異なる多数のグローブをラインナップしています。そのなかから、目的に合ったモデルを手にするために、アクティビティや季節に応じたグローブの選び方を紹介します。

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本格的な冬はグローブが欠かせないシーズンです。THE NORTH FACEでは用途や機能の異なる多数のグローブをラインナップしています。そのなかから、目的に合ったモデルを手にするために、アクティビティや季節に応じたグローブの選び方を紹介します。

多数のラインナップからグローブをどう選ぶ?

THE NORTH FACEでは用途やコンディション別に、30種類近くのアウトドア用グローブを取り揃えています。なぜこれだけ多数のモデルが必要なのでしょうか。それは季節やアクティビティの違いに応じた機能性が求められるからです。

たとえば、寒冷な季節の登山でも、落ち葉を踏みしめる低山ハイキングなのか、それとも厳冬期の雪山登山なのかでグローブ選びは大きく変わります。さらに同じ厳冬期の雪山でも、縦走登山、アイスクライミング、バックカントリースキーではグローブに求める機能は違ってきます。

これはテクニカルなアウトドアウェアと同じで、一見、似通ったデザインに見えても、コンディションやアクティビティの違いを想定して素材とデザインが決定されたものばかり。それぞれの機能性を理解すれば、グローブ選びは難しくはありません。

そこで「グローブの選び方」をテーマに、PART.1では登山用品に詳しい国際山岳ガイドの天野和明さんが、グローブの選び方の基本を解説します。PART.2では、女性登山ガイド、プロスノーボーダー、アルパインクライマーの3人が実際に使用しているグローブを紹介してもらいます。

[ PART 1 ]
山岳ガイドがアドバイスするグローブの選びの基本

解説:天野和明(国際山岳ガイド、石井スポーツ登山学校校長)

国際山岳ガイドの天野和明さんは、四季を通して多くの登山者を国内外の山でガイドしつつ、登山学校でさまざまな講習も行っています。また、実際に登山用品店の売り場に立っていた経験も長く、道具やウェアに関しての造詣も深い。そんな天野さんに、グローブの選びの基本を訊きました。

グローブの必要性その1、ケガを防ぐこと

最近は寒くない季節でもトレッキング用グローブを使う人が増えてきました。転倒で手を着いたり、木の枝をつかんだときに、ケガしないための備えです。とはいえ、夏山や低山では手袋をして歩くには暑いときも多く、必ずしもマストではありません。

岩稜ルートでは岩肌から手を保護したり、クサリ場やハシゴをしっかり握るという役割もあります。その際、手のひら側の素材は、クサリを握っても滑らないグリップ力ある素材で、薄手のものを選んでください。

岩場やクサリ場に慣れない人は不必要なほど力を入れ過ぎてしまうことがあり、その点でも、滑りにくい薄手グローブをしたほうがリラックスして行動できるという利点もあります。ただし、岩の登りやすさでいえば、やはり素手が一番。滑りそうなグローブをしているお客さんには、外してもらうように伝えることもあります。

グローブの必要性その2、冷えを防ぐこと

山で朝晩が寒い季節になると、防寒用グローブを装備に加えます。たとえば、北アルプスなら真夏以外の時期です。9月に涸沢に行くとしたら薄手のフリースグローブなどを持って行きます。秋も深まって気温が下がってくれば、より保温力のあるグローブに変えていきます。

雪山登山では、グローブの保温力は非常に重要になります。「雪山で一番大事な装備はグローブです」と、ガイドのお客さんには伝えています。雪山こそ、グローブの良し悪しが大きく左右します。

当然、操作性が良くて暖かいものが理想ですが、操作性と保温性は相反します。厚手のミトンでは作業しにくいし、薄い5本指グローブは手が冷たくなる。どこに落とし所を見つけるか。山にもよりますが、クライミング要素が入らない雪山だったら、保温性重視で薄すぎない5本指か3本指のグローブがいいでしょう。

グローブの必要性その3、悪天候から手を守ること

たとえ夏山でも、雨のなかを素手で歩けば、濡れによる手の冷えは防ぎようがなく、風に吹かれる状況では一気に熱を奪われます。手が冷えると集中力は欠け、手を動かすことが億劫になり、必要な作業も怠って危険な状態に向かいます。

それを防ぐためにもレイングローブが有効です。保温材のないゴアテックス素材などのシェルグローブなら、夏山でも使いやすい。ただし、ゴアテックスの防水グローブを着けたとしても、行動中はずっとグローブのなかがドライでサラサラ、快適でいられるわけではありません。それは夏山でレインウェアを着るときと同じです。

行動中は何度もレイングローブを外すこともあるし、その都度必ず素手も濡れます。それでも、濡れた手のカバーとして装着することで熱の損失を防げますし、風に吹かれても気化熱を抑えられるので、素手よりもはるかに安全で、快適にいられます。

グローブをレイヤリングするメリット

夏のレイングローブと考え方は同じで、防寒グローブの上から防水性と防風性の高いオーバーグローブをレイヤリングすることで、風や雨、雪からの濡れを防ぎます。

濡れた中綿入りグローブを乾かすのはたいへんです。なかでも、テント泊のように行程中で濡れたグローブを乾燥させにくい状況では、レイヤリングが非常に有効です。

たとえば、メリノウールなど薄手のインナーグローブの上に、インサレーション入りの5本指グローブで行動し、その上からシェルのオーバーミトンを装着します。5本指グローブの上からゴアテックスのオーバーミトンをかぶせるだけで保温性がまるで違ってきますし、積雪が深い日のラッセルや、テントサイト設営や除雪など、雪に触れる時間が長いときには防水オーバーミトンが活躍します。

インナーグローブは必要か?

グローブをレイヤリングしないほうがいい場合もあります。たとえば、冬季のミックス壁登攀やアイスクライミングでは、アイスアックスの握りが登攀の質を左右します。アックスと手が一体化したようにグリップするができれば、握力低下や前腕の疲労を抑えることもできます。

けれども、インナーグローブをレイヤリングすると、どうしてもグリップしたときのズレ感が否めない。そのため、アイスクライミングでは的確に握れることが第一条件になり、主にシングルグローブを選択します。これはストックの握りが重要なスキーでも同じことです。

アイスアックスやストックを使うにしても、登攀の伴わない雪山登山やスノーシューハイク、バックカントリースノーボードでは、特に気にすることなくレイヤリングした暖かなグローブで快適に行動してください。

グローブをしたままで、クランポンストラップを開け締めや、カラビナの開閉を練習するのはお勧めです。慣れの部分が大きいので、スムースにできるようになるまで、山では薄手インナーグローブを使ってもいいと思います。最近は雪山でのスマホの使用によって、手指の凍傷事例が増えているという話も耳にします。冬山では素手になることをできるだけ避けるのがセオリーです。

予備のグローブはなにを持つ?

雪山でグローブを失うことは致命的です。したがって「予備のグローブ」という考え方ではなく、「本番で使えるものを2セット」持って下さいとお客さんには伝えています。

その際、ひとつが5本指グローブだったら、もうひとつはミトンにしてもいいです。同じく先発を任せられるしっかりしたグローブなら、同じタイプを揃える必要はありません。

グローブのサイジング、グローブの外し方

大きめのグローブはゆとりがあって暖かいものですが、あまり大きすぎると作業がしにくく、どうしてもグローブを外したくなります。雪山で、特に降雪中にグローブの付け外しを繰り返せば、それだけグローブの内側やインナーグローブを濡らすことになります。また、外したグローブはアウターウェアの内ポケットなどに入れるようにして、けっして雪の上には置かないでください。

グローブのサイジングは、大きすぎず小さすぎず、血行を妨げない程度にフィットしているものを選んでください。また、皮革製グローブは、最初は硬くても手入れをしながら使っているうちに馴染んでくるので、それを見こしたサイズ感で選んでほしいと思います。

[ PART 2 ]
THE NORTH FACEアスリートはこんなグローブを選んでいる

女性登山ガイド、プロスノーボーダー、アルパインクライマーの3人のTHE NORTH FACEアスリートに、それぞれ愛用しているグローブを紹介してもらいました。同じ山岳というフィールドで活動していても、アクティビティの違いで、あるいは個人の好みによってもグローブのチョイスは大きく違うことがよくわかります。

登山ガイド
渡辺佐智 Sachi Watanabe

長野を中心にグリーンシーズンは女性や初心者を対象にした登山ガイド、冬は低山ハイキングからバックカントリースキーまでカバーする渡辺佐智さん。グローブ選びにも豊富なガイド経験と細やかな気配りが反映されています。

3シーズンの登山に
L1+ Guide Shell Glove

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コンパクトになる薄手の防水シェルグローブで、実測値で1ペア27gと軽量。冬以外のシーズンでは、予備の防寒着と一緒に持ち歩いています。長い山行や、天気予報が変わりやすいときに一枚あると安心です。

荒天の中、雨で手を濡らしたまま風に吹かれると、手がかじかみ、集中力が削られますが、そんなときこそ、持っていてよかったと思えるはずです。

寒いときは薄手のインナーグローブをレイヤリングすることもできます。手のひらと指先のシャーリングも効いていて、手首内側にある滑り止めがとっさの時に装着しやすい。

縦走登山などで、乾燥機のない山小屋やテントでも、一枚のシェルなのでわりと乾きやすく管理が容易です。ただし、薄手なので岩稜には向きませんね。

3シーズン + 冬の低山ハイキング
Inferno Approch Glove

裏起毛したウインドストッパーの防寒力と、指の操作性のバランスの良さ。柔らかいので手や指が動かしやすいです。岩稜登山でフィックスロープを使う際に握りやすく、真夏の岩稜の稜線から、真冬の低山のクサリ場やハシゴなど通年で出番は多くなります。グローブ選びに悩まれているグローブ難民の方にぜひ!

通年の登山
Inner Dry Dot GLOVE

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滑り止めがしっかり機能して、指先はスマホのタッチスクリーン対応で、そして、とても乾きやすいグローブ。単体でも、レイヤリングでも活躍してくれます。特に冬になると使いやすさの差を実感できますね。ただし、耐久性は低いので、インナーグローブは消耗品と考えた方がいいですね。Dry Dotシリーズの機能性を実感している方は期待していいと思います。

スノーボーダー
佐藤亜耶 Aya Sato

ゲレンデからバックカントリーまでアグレッシブに活動しているプロスノーボーダーの佐藤亜耶さん。乾雪から湿雪まで、雪に直接手が触れる機会が多いスノーボードだけに、厳選したグローブなしに満足のライディングは望めません。

スノーボード・厳冬期ゲレンデ
Layback Trigger

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ミトンのような保温性がありながら、操作しやすい3本指。着脱がしやすく、耐久性に優れた天然皮革で、ジャンプでグラブするときに、エッジを握り込んでも安心感があります。

ゲレンデならインナーグローブなしでも十分な暖かさがあります。ゲレンデをメインで滑る人や、普段はミトングローブが好きだけど、もう少し指先の使いやすさが欲しい人にお勧め。オイルを塗って手入れをしながら大事に育てるのも、皮革製グローブとの楽しい付き合い方ですよね。

スノーボード・厳冬期バックカントリー
L1 Inner Glove
L2 Insulation Glove Short
L3 Guide Over Mitt

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まずは、素手にベースレイヤーとしてL1 Inner Gloveをつけ、その上に単体でも使用できる中綿入りのL2 Insulation Glove Short。最後にオーバーミットとしてGORE-TEXシェルのL3 Guide Over Mittをレイヤリングします。THE NORTH FACEのグローブの商品名の頭にある「L1(内側)」から「L3(外側)」まで順番につけていくと、自動的に暖かい手元が完成するのです。

ハイクのときは暑くなりやすく、それ以外の時間は手が冷たくなりやすい人に最適です。グローブもレイヤリングすることで体温調整に役立ってくれます。ロングのオーバーミットなので、パウダーを滑っても手首から雪が入りにくく、深い雪を滑るのが好きな人には特にお勧めです。

スノーボード・春先のゲレンデ
GTX Versatile Rain Glove

オーソドックスなレイングローブですが、春先の濡れやすい雪にも対応できるGORE-TEXの防水仕様。薄手素材なので、気温が高い日でも使いやすいです。グローブが濡れるのが嫌な人、気温の高い日でもグローブは欠かせないという人にお勧めです。

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アルパインクライマー/スキーマウンテニア
鈴木雄大 Yudai Suzuki

ここ数年、南米やパキスタンの6,000m峰でのいくつもの困難な初登攀を成功させている鈴木雄大さんは、同時にハードコアな山岳スキーヤー。雪、氷、岩という過酷な環境下での使用という条件をクリアしたグローブとは。

春秋登山、BC、クライミングのアプローチ
Inferno Approach Glove

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厳冬期BCスキーの低標高帯、春スキーの登りから滑降まで、歩きの冬季登山全般、冬季登攀のアプローチ、遠征登山のアプローチでも使用しています。

グローブ自体が極薄ですが、それ以上の保温性を得られていると感じます。マイナス10℃程度までなら、BCスキーのように動き続けるハイクアップではいつもこれ。激しい運動で蒸れそうな時も快適に行動できています。

補強部分も適材適所です。ポールを強く雪面に押し付けながらのキックターンや、アックスやロープ作業をしても擦り減ることなく、長く使えます。デザインもカッコ良く、付けていると気分が上がる点もいいですね。昨冬の富良野周辺でのBCスキーや、春から秋の3回の海外遠征でハードに使いましたが、もう1シーズンは余裕で使えそうな様子です。

クライミングのビレイ、高難度ミックスクライミング
Belayer Glove

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最初に試着した瞬間から、吸い付くような装着感に惹かれました。ビレイはもちろん、ロープの操作性もこの手のグローブの中でもトップクラスで、アックスを使ったミックスクライミング、特にドライ要素が8割というような高難度のシングルピッチでも活躍します。

手首のホールド感とグリップ感の良さが、パンプしてからもアックスにぶら下がり続けられるような印象です。ただし、純粋なアイスクライミングや、ミックスでも滴りが激しく濡れやすいピッチは、防水性がないのでお勧めできません。

まとめ:ウェアを選ぶようにグローブも選びたい

ウェアの場合、グリーンシーズンと雪山シーズンでは、シェルもミッドレイヤーもベースレイヤーも違う選択になるように、グローブも同じこと。一つのグローブで1シーズンを過ごすより、気温や天気といったコンディションによっていくつかのグローブを使い分けるほうが、安全で快適です。

1年のなかでも寒い時期のフィールドでしか味わえない季節感あるアクティビティを楽しんでください。快適なグローブがそれを支えます。

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WRITER : CHIKARA TERAKURA

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